なぜ後期高齢者医療制度は「保険」制度として成り立つのか
保険とは、「将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度」と,一般には定義されている。
で,はやりの「後期高齢者医療制度」(「長寿医療制度」)は,(言葉は悪いが),病人ばかりをメンバーとした「保険」なのに,なぜ「制度」として成り立つのか,この点に絞って勉強してみた。
(以下,厚生労働省の「後期高齢者医療保険の概要」に基づく)
1 現時点での財源スキーム
・対象者(後期高齢者):1300万人
・医療費:11.4兆円(給付費:10.3兆円 患者負担:1.1兆円)
・給付費10.3兆円の負担割合
後期高齢者の保険料:10%
公費50%(国:県:市町村=4:1:1)
支援金40%(健保や国保の被保険者(74歳以下の若者)が支援)
これで,平成20年4月にスタートしたわけだが,対象者は増える(高齢化)が,支援金は減る(少子化)わけで,将来的にどうするのか,というのが,私の疑問なわけだ。
これに対する回答は,上記資料の最後のページにあった。
2 後期高齢者負担率の改訂方法について(一部要約)
・(現時点での)後期高齢者の保険料の負担率は1割,若者が負担する後期高齢者支援金の負担率は4割である
・今後,後期高齢者人口は増加すると見込まれる一方,若人人口は減少すると見込まれるため,後期高齢者の負担分は支え手が増えるが,若人の負担分は支え手が減っていく
・仮に,後期高齢者と若人の1割と4割の負担割合を変えないとすると,若人一人当たりの負担は,大きな割合で増加していくこととなる
・このため,「若人人口の減少」による若人一人当たりの負担の増加については,後期高齢者と若人と半分ずつ負担する
・(すなわち)後期高齢者の保険料の負担割合は,若人減少率の1/2の割合で引き上げ,後期高齢者支援金の負担率は引き下げることとする
さて,この回答は,
医療費の増大分は,割合として,後期高齢者の保険料の値上げで賄うことになる
医療費の増大分は,割合としての負担率が下がったとしても,実額は増加するから,若人の負担額も増加する
公費の負担割合については,触れられていない
という内容だ。
よくわからないが,増えるのは自分(後期高齢者)の負担だ・・・
で,この回答のシステムは,やはり「保険」に該当するのだろうか・・
どうもすっきりしない・・定義の問題だろうか・・・
私には,どうしても,単なる医療費助成制度にしか見えないのだが,皆さんはどうでしょう・・
(余談)
私のATOKでは,「若人」は,「わこうど」でしか出てこない。
また,この資料の他の部分では「若年者」という表現になっている。
もしかしたら,「若人」という言葉には,何か法律的に特別な定義があるのかも知れん・・・
画像には,あまり深い意味はありません・・・・・
