2010年1月11日

某市長のブログについて あるいは超人の思想

 

引用の積み重ねで真意を醸し出していく手法は衒学的で,実は中身の薄い私などにはぴったりのレトリックなのだが,さすがに公人としては不味かろう・・・

なんだか,哲学者クロサキの受け売りみたいで嫌だが,実際インターネットなんぞというものは,結局は便所の落書きに毛が生えたようなもので,この自覚を失ったときに,読み手も書き手も堕落していくのだろう。

電網の中の仮想現実は,個々人の幻想を先鋭化させ,共同幻想すなわち現実の社会を浸食していく。

ニーチェの箴言は時代を超えて妥当する。(ほうら,衒学趣味(・・)v

ニーチェツァラトゥストラはこう言った

すべての書かれたもののなかで、わたしが愛するのは、血で書かれたものだけだ。血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。

他人の血を理解するのは容易にはできない。読書する暇つぶし屋を、わたしは憎む。

読書がどんなものか知れば、誰も読者のためにはもはや何もしなくなるだろう。もう一世紀もこんな読書がつづいていれば、――精神そのものが腐りだすだろう。

誰でもが読むことを学びうるという事態は、長い目で見れば、書くことばかりか、考えることをも害する。

かつては精神は神であった。やがてそれは人間になった。いまでは賤民にまでなりさがった。

2009年11月 8日

新釈 現代文

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久しぶりに文庫本をゲット。

いろいろと,感想というより感傷を,思ったのですが,私の書きたいことは,既に 『新釈現代文』文庫化 - BLOG_inainabaにほとんど書いてあった・・・

で,試しに高校2年の娘に読ませてみたところ,「著者の主張より,引用されている問題文の方が易しい」との感想・・・

まあ,「新釈現代文」を覚えているかなんてスレに書き込んでる方々は,私と同世代なんだろうなぁ・・・

 

一通り目を通したので,娘に「教養として」読むように諭しつつ払い下げました。

(正直なところ,息子の方に読んでもらいたいと思っているのですが,さすがにまだ無理そうです・・・)

2009年7月26日

オンライン小説

暇な時やらの時間つぶしは,ザウルスで読書,が定番なのだが,ちょっと活字の在庫が怪しくなってきた。

それに,この数週間,なんだかとりとめのない仕事が多くて,ちょっと集中力が怪しくなってきた。

というわけで,この週末は,オンライン小説のダウンロード及び活字シャワーに決定・・・
(要するに,家でごろごろ本を読む・・・)

 

小説系検索エンジンリンク集
オンライン小説検索エンジン NEWVEL
オンライン小説/ネット小説専門ナビゲーター HONなび
長編小説検索Wandering Network
NovelSearch ?オンライン小説専門サーチエンジン?

 

手順

  1. 一括ダウンロード版があれば有り難いが,なければ,SleipnirのURL抽出で,目次ページからリンクをコピーし,Irvineから根こそぎダウンロードする。
  2. テキストファイル結合ソフト(概要?packtext?水無瀬の部屋など)で,1本のファイルに結合する。
  3. (HTMLファイルの場合は)htmlをテキストに変換する(HTMLをテキストに変換するツール

 

そんなこんなで,48本27メガバイトをゲット・・・
普通の厚さの文庫本が,大体300キロバイトほどなので,大体90冊分くらいだ。
これで一月はもつかしらん・・・

 

(余談)

一応長編に分類されているが,TEAR DROP./小説「カルテット」TOPを今読み終わった。
これ,なかなか良いです・・・
アマチュアとは思えない筆力です。

2009年1月24日

恋ひ恋ひて

恋ひ恋ひて逢へる時だに 愛しき こと尽くしてよ 長くと思はば

戀戀而 相有時谷 愛寸 事盡手四 長常念者

万葉集巻四 (661) 大伴坂上郎女


大伴坂上郎女
 大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ、生没年不詳)は、『万葉集』の代表的歌人。
 大伴安麻呂と石川内命婦の娘。 大伴稲公の姉で、大伴旅人の異母妹。大伴家持の叔母で姑でもある。
 『万葉集』には、長歌・短歌合わせて84首が収録され、額田王以後最大の女性歌人である。

 13歳頃に穂積皇子に嫁ぐが霊亀元年(715年)に死別。一説に宮廷に留まり命婦として仕えた。この頃首皇子(聖武天皇)と親交を持ったらしく、後年個人的に歌を奉げている。
 その後に藤原麻呂の恋人となる。しかし、麻呂とも早くに死別し、養老末年頃、異母兄の大伴宿奈麻呂の妻となり、坂上大嬢と坂上二嬢を産んだ。しかし、彼とも33歳頃に死別したと思われる。
 その後は、旅人を追って大宰府に下向する。
 帰京後は佐保邸に留まり、大伴氏の刀自(主婦)として、大伴氏の一族を統率し、家政を取り仕切ったのだろう。

 その作風は多分に技巧的でありながらも、豊かな叙情性をも兼ね備えている。しかし、彼女の数多い男性との相聞歌は、恋の歌になぞらえて、彼らへの親しみを表したものであったり、実体験ではないのではないかとも言われている。

坂上郎女の通称は坂上の里(現奈良市法蓮町北町)に住んだためという。

2009年1月23日

戦友別盃の歌 (南支那海の船上にて)

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 言うなかれ、君よ、別れを
 世の常を、また生き死にを
 海ばらのはるけき果てに
 今や、はた何をか言わん
 熱き血を捧ぐるものの
 大いなる胸を叩けよ
 満月を盃にくだきて
 暫し、ただ酔いて勢へよ
 わが征くはバタビヤの街
 君はよくバンドンを突け
 この夕べ相離るとも
 かがやかし南十字を
 いつの夜か、また共に見ん
 言うなかれ、君よ、わかれを
 見よ、空と水うつところ
 黙々と雲は行き雲はゆけるを
 
 
大木惇夫
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9C%A8%E6%83%87%E5%A4%AB

2008年5月21日

較べる 比べる 使い分け その2

昨日の続き 
 
 やっぱり,よくわからないですね,使い分け・・・
 以下は,漢字成註辞典からですが・・・

 比


[一]
?くらべる。(イ)ならべて善悪や優劣を考える。「比較」。(ロ)照らし合わせる。比較。(ハ)選ぶ。(ニ)たぐえる。なぞらえる。(ホ)争う。競う。
?ならう(放)。
?なれる。
?つづる。
?そなえる。おさめる。
?おなじ(同)。等しい。
?しきりに。
?やから。ともがら。
?きまち。ためし。例。
?割合。率。「比率」。
?詩経の六義の一。類似のものを取り出し、それに例えて述べる詩の体。

[ニ]
?したしむ(親)。ちかづく。
?従う。善をえらんで従う。
?組する。仲間になる。
?楽しむ。和らぐ。
?いたる。及ぶ。
?ならびに。
?常に。度ごとに。
?ため。ために。
?ころ。ころおい。ころあい。
?この頃。昨今。
?すきぐし。
?五人組。周代、五家を一組にする制。
?易の卦の名。

[解字]会意形声。ヒ(人の字を反対にした形)を並べて親密の意を表す。一説に象形、人が二人並んでいる形。


 較


一]
?車の箱の左右の板上に曲がって出ている部分。車に立っている時につかまる所。車耳。
?競う。争う。競争する。角に通ずる。
?転じて、比べる。=[ニ]の?。「比較」。
?あらまし。=[ニ]の?。

[ニ]
?くらべる。校に通ずる。
?あきらか。著しい。
?ほぼ(略)。おおむね。あらまし。「大較」。
?やや。少し。多少。
?数学で、引き算の余り。

[解字]車が意符、交が音符でまた、まじえる。

[原義]物を交えて比べる。

比べる 較べる 使い分け

 子どもと話していると,時々,非常にストレートかつ核心を突いた質問をもらってしまうことがある・・・

 で,表題の,比べる 較べる 使い分け・・・

 尊敬する上田万年先生の大字典では,「比」は,人と人が背中合わせの形からできた,とあり,背比べをしているとわかるのだが,「較」の方は,車の横木,とあるものの,それがなぜ「くらべる」の意味になるのかわからない。

ヤフーやらグーやらの辞書では,使い分けは出てこない・・・

 atok16+広辞苑第5版では,『「較」は「比」と同じように使うが、「比」が一般的』とある・・・

 古い旺文社の国語辞典では,


  • 「比」はあれこれとてらしあわせる

  • 「較」は優劣をくらべる

とあったらしい(今日の「気になる一言」)が,確認できない・・・

 ご存じの方は,エビデンスを添えて,ご教示くださいませ・・・


2008年4月21日

うたてしやな・・

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 娘の宿題を解かされた・・・

 これも今は昔,田舎の児比叡の山へ登りたりけるが,桜のめでたく咲きたりけるに,風のはげしく吹きけるを見て,この児さめざめと泣きけるを見て,僧のやはら寄りて,「などかうは泣かせ給ふぞ。この花の散るを惜しう覚えさせ給ふか。桜ははかなきものにて,かく程なくうつろひ候ふなり。されどもさのみぞ候ふ」と慰めければ,「桜の散らんはあながちにいかがせん,苦しからず。我が父の作りたる麦の花散りて実の入らざらん思ふがわびしき」といひて,さくりあげて,よよと泣きければ,うたてしやな。
(宇治拾遺 巻一第十三 田舎児桜散みて泣事)


 これも昔の話,田舎の稚児が比叡山(延暦寺)に入り,桜が見事に咲いているところへ,風が激しく吹くのを見て,この稚児がさめざめと泣くのを見て,僧侶がそっと寄り,「なぜそのように泣くのです。この花が散るのを名残惜しく思われるのですか。桜は儚く,こうして程なく移ろい去るものです。ただそれだけに過ぎないのです」と慰めると,「桜が散るのはどうしようもないことだから,かまわない(関係ぇねえ)。父の作った麦の花が散って,実入りが少なかったらと思うのが侘しいんだ」と言い,しゃくりあげて,よよと泣いたというのだから,うたてしやな。


 娘の質問
  1 なぜ僧は稚児に対して丁寧な言葉を使っているのか
  2 「うたてしやな」は,作者の誰に対する感想なのか

 答え(超意訳)
  僧は,稚児には桜の散るのを惜しむ風流心がある,と思った
  そこで僧は,風流を解する稚児に(これは見所がある,と思ったのか)(敬意を表して),丁寧に,無常を説いた
  (13世紀ですからね・・方丈記の時代ですぜ・・徒然草も書き始められた頃かも・・)
  でも,稚児の涙はもっと現実的な理由だったので,全くの見込み違い
  なんとも,うたてしやな

 1は,まあ高校生には,敬意を表して,とか,からかって,とか教えるんでしょうな・・
 男色の下心で,とはちょっと教えにくい・・
 
 2は,難しい。
 稚児の無教養を不快に思ったのか,僧の失敗(稚児を見損なったことorナンパ自体)を「おっと残念!!」と揶揄しているのか・・
 冒頭に,「田舎の児」と明記しているから,期待はしていないはずなので,私は後者だと思うが,高校生には,前者だ,と教えるしかあるまい・・・

 と,言うわけで,本日の甲突川の桜です。
 
 散る桜 残る桜も 散る桜

2007年1月 8日

国土形成計画 中間とりまとめ


Clickすると元画像が表示されます。

 連休中の宿題がありまして,国土形成計画の中間とりまとめ,というものをマップにしてみました。
 この手の文章は,文学作品と違って,施策の指針となるものですから,割とマップにしやすいのですが・・・
 
 わたしは,この手の論文のマップは,とにかく一旦,全文を貼り付けてから作業します。
 具体的には,
  1 タイトルをテーマに貼り付ける
  2 目次を大章節に貼り付ける
  3 目次(各章節)に本文を貼り付ける(最後まで)
  4 最初の章節に戻り,1センテンス毎に,主従関係を分析しつつ,切り分ける
というやり方です。
 
 「原 仙作の長文読解」みたいなものですね。
 
 さて,4の,「切り分ける」作業が肝になるわけですが,国の審議会の高名な委員の方々の議論を,優秀な官僚がまとめた文章ですので,起承転結・理路整然としたマップになると期待していたのですが,結果はごらんの通り(評価はお任せします・・・)
 
 マップがシンプルでない(1行が長い=切り分けができていない=マップが横に長い)ということは,論理が明快でないことを示しています。
 
 最大の原因は,私の読解力の不足なのですが,
 
  「このような広域ブロック間の連続的な連なりが、「21世紀の国土のグランドデザイン」において、国土を縦断方向に覆う気候や風土等の特性、さらには交流の歴史的蓄積やアジア太平洋地域に占める地理的特性等を共有する大括りの圏域を21世紀を通じて明らかにしていくとされた「国土軸」の構想とも重なっていく。」
  
などといった文章は,とても私の手には負えません。

 主語は明らかに「このような広域ブロック間の連続的な連なり」で,述語は「重なっていく」,目的語が「国土軸」,そして,うだうだと長い「21世紀の〜明らかにしていくとされた」が目的語の修飾であることは「明らか」ですが,このセンテンスが,何を明らかにしようとしているのか,がさっぱりわかりません。
 
 密かに思うに,単に「21世紀の国土のグランドデザイン」を引用したかっただけ(気候風土や歴史や地理的特性を踏まえた交流等の必要性については,この前のセンテンスに記述してありますから)のような気がします・・・
 グランドデザインで出された宿題の回答はここだよ,とでも言うような・・
 
 また,農業に関する記述が,産業ではなく(都市との連携を図る)農山漁村の中で触れてあったりして,結局,この切り分けに手間取って,1日使ってしまいました。
 
 実際の宿題は,このとりまとめに対するプロポーザルなんですが,どうなることやら・・・
 
 (実際,FTAに対する反応を見ると,産業政策と言うよりは社会政策の側面が強いような気もするので,こちらの方が適切なのかもしれません)