山桜
国分で予定していた用事が後回しになってしまい,すっぽりと時間が空いたので,久しぶりの石採りに亀割峠に出かけた。
このあたりは凝灰岩と安山岩が出るはずだ。
前日の嵐の名残の病葉や大振りの枝を避けつつ,一廃の処理場を通り過ぎ,九十九折り切り通しを抜けると,唐突に豪勢な山桜が姿を現した。
はや行き交う人もなく,人知れず我が世の春を咲き誇る桜は,清涼たる山気に清々しい美しさだ。
しきしまのやまと心を人とはば、朝日ににほふ山ざくらばな(本居宣長)
その夜,ビールにほろ酔いながら,はじめて見た大河ドラマで松陰の辞世が弟子の書斎に掲げてあった。
身はたとえ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂(吉田松陰、享年満二十九歳)
「死して不朽(ふきゅう)の見込みあらば、いつでも死すべし。生きて大業の見込みあらば、いつまでも生くべし。」


